ホーム > アーバンプラス特集記事 > 雅楽を知る

雅楽を知る

2013年1月17日

雅楽を知る

神社や仏閣で、新年を祝う儀式や五穀の豊穣を祝う祭り、また神前の結婚式でも奏される『雅楽』。聖徳太子の時代から連綿と受け継がれてきた、日本最古のオーケストラです。特有の形状をした笙(しょう)や篳篥(ひちりき)、琵琶や箏(こと)などで奏でられる凛とした音色と荘厳な佇まいには、自然と厳かな気持ちで聞き入ってしまいます。
雅楽には千数百年もの歴史があり、時代の変遷とともにその姿を変えながら、絶えることなく演奏されてきました。中国や朝鮮半島、天竺(インド)や西域から渡来した特徴的な楽舞は、永い時間の中で統合され、いくつかのジャンルを形づくっていきました。
七〇一年に制定された大宝律令の中に、雅楽寮(うたまひのつかさ)という役職が記されています。平安時代には貴族のたしなみとして宴の中で奏され、戦国時代の衰退の危機を乗り越え、現在では宮内庁の中の「式部職楽部」として、儀式の他、春・秋の園遊会や、海外公演も行っています。
もともと雅楽の「雅」とは、「みやびやかな」という意味ではなく「ただしい」という意。日本の「正式な」楽であり、誰しもどこかで耳にしたことがあるけれどあまり詳しく知らない―
そんな『雅楽』について、その一部をひもとき、ご紹介します。


雅楽とは?

雅楽は、管楽器や絃楽器、打楽器など、楽器だけで演奏する「管絃」と、雅楽器の伴奏で歌を歌う「謡物(うたもの)」、雅楽に合わせて舞を舞う「舞楽(ぶがく)」の3つのジャンルに分けられます。管絃楽器は「笙」「篳篥」「龍笛」の3種類の管楽器、「鞨鼓」「太鼓」「鉦鼓」の3種類の打楽器、 「琵琶」「箏」の2種類の絃楽器があり、それぞれ2~3人で編成されているのがオーソドックスなスタイル。雅楽には指揮者がいないので、鞨鼓などの打楽器と、琵琶などの絃楽器がリズムを刻み、篳篥のリードに合わせ、全員が一糸乱れぬ演奏をしていく、その音の重なりが、幽玄で雅やかな世界を創り出します。

雅楽器の種類

笙しょう

17本の竹を組み合わせた楽器で、鳳凰が羽を休めた姿を模しているといわれる。吹いても吸っても音が鳴り、管楽器の中で唯一和音を奏でる楽器。

篳篥ひちりき

小さな見た目と裏腹に、日本の管楽器の中では音量が最大。珍しいダブルリード楽器で、主旋律を奏で、他の楽器をリードしていく。頭部に平たくつぶした「葦」を差し込み、演奏する。

龍笛りゅうてき

竹製の横笛で、7つの孔があいている。変化に富んだ旋律を演奏し、篳篥の奏でる主旋律を広い音域で彩る役割を担う。

太鼓たいこ

正面に位置し、音楽の中で周期の節目を示す。全体の曲の流れを把握し、知らせる役目を持つ。円形の木枠につるす形が、「楽」の字の原型になったと言われる。

鞨鼓かっこ

曲が始まる合図を出す役割の鼓の一種。2本の細いばちで細かくリズムを刻む。太鼓よりも軽く高い音で、音楽の流れを統制する重要な役割を果たす。

鉦鼓しょうこ

金属製の皿形を「架」と呼ばれる台にかけ、ばちでたたいて演奏する。「チン」という金属的な音が、太鼓に余韻のような彩りを添える。

琵琶びわ

雅楽の琵琶は4絃で、真横に構えて演奏する。旋律ではなく、箏と同じくリズムやアクセントを取る役目をする。

筝こと

現在の邦楽で演奏される箏に比べ、絃は太く柱は細い。琵琶と同じく、旋律ではなく決まったリズムを刻み、旋律の速度を決める役割を果たす。

華やかな舞楽

抜頭
林歌

中国を経由して伝来した音楽を「唐楽」と呼び、朝鮮半島やその周辺から伝来した楽を「高麗楽」と呼びます。唐楽を使った舞を「左舞」、高麗楽を使った舞を「右舞」といい、華麗な装束や特徴的な面を付けた迫力ある舞が、見る人を楽しませます。(写真左:抜頭 右:林歌)

横浜で聴ける雅楽

聴く機会のあまりない「雅楽」ですが、横浜では
三渓園の『観月会』(9月後半~10月前半)、
師岡熊野神社の『星祭』(7月前半)、
富岡八幡宮の『雅楽の夕べ』(9月後半)など、
年に何度か神社などの行事でも演奏されています。気になった方は、ぜひお近くの神社や寺社に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

今回お話を伺った方
横浜雅楽会 会長 鈴木豪さん
http://y-gagaku.net/

【WEB限定】編集部こぼれ話を公開中!

記事では見えないリアルな取材風景。
残念ながらカットしたあんなネタ、こんなネタ。
そこはかとなく書きつくった今回の「編集部こぼれ話 Plus chat」はコチラ↓↓

雅楽の世界を垣間見る