ホーム > 編集部こぼれ話「PLUS Chat」 > 雅楽の世界を垣間見る

雅楽の世界を垣間見る

2013年1月17日

「雅楽を実際に聴いてみたい!」

今回、1月号の表紙記事を書くにあたり、真っ先に思ったのがそれでした。

「雅楽」というものは知ってるけど、実際触れたこともなければ、進んで聴いてみたこともない。実は編集Uもそんな一人でした。

けれど、一般に向けて演奏される機会もそんなに多くはない雅楽。

どうしたものかと思っていたとき、偶然にも鶴見区にあるサルビアホールで開催されていた「邦楽のつどい」に、今回取材にご協力頂いた横浜雅楽会さんが出演するというので、実際に生の演奏を聴くことができました。

厳密には雅楽は「雅楽」であり、「邦楽」とはまた違うのですが、横浜雅楽会さんは唯一「雅楽」というジャンルで演奏されるとのこと。

実際にその場で雅楽を聴いて思ったのは、今一般に私たちが聴く「音楽」とは、概念が違うんだなぁということでした。

 

今では神社等お祭りや神前式等で目にすることが多くなりましたが、もともと雅楽は、祭祀のときに神様に捧げるものと、貴族が宴で楽しむものという2つの側面を持っています。有名な源氏物語でも、雅楽が演奏される様子が物語中に何度も出てきます。

 

「邦楽のつどい」では「越殿楽」という曲が演奏されたのですが、この曲は「黒田節」の元にもなっていると言われる、雅楽では最もポピュラーな曲です。

「笙」という、竹を何本も組み合わせた不思議な形の楽器が、見た目よりもはるかに高い良く通る和音を奏で、長い旋律の繰り返しを、管楽器と絃楽器がそれぞれ高低の音で奏でる様はとても趣があり、独特の拍子はゆったりとしていながら、ぴんと張る部分もあり、周囲に清浄な空気が広がっていくような感覚を覚えます。

雅楽の音色を聴くと反射的に厳粛な気持ちになるのは、日本人の習性と言えるかもしれません。

人へ聴かせるものというよりは、独自の世界をただ紡いでいき、その音色を神様へ奏上する純粋な音楽という印象を受け、束の間古代の時代にタイムスリップしたような非日常的な気分を味わうことができました。

 

「雅楽にはコンクールがない」というのは、横浜雅楽会さんに伺ったときのお話。

元々雅楽は口伝で伝わってきたので、演奏の明確な判断基準というのが特になく、昔の雅楽と今の雅楽では様式等も全然違うため、競う意味がないのだそう。

そんなところも、現代の音楽とは一線を画していて、面白いですよね。

現在は、「式部職楽部」という宮内庁の楽師である方が、退職後に民間で教えることが多いそうです。

興味がわいた方は、ぜひ身近な神社でのお祭り等の際、実際に自分で聴いてみることをおススメします。

 

きっと日常とは全く違う世界が垣間見れますよ。

 

 

 

横浜雅楽会さんの練習の様子。

 

 

珍しい形状の笙。電気コンロ等で乾燥させてから演奏するそう。