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こころが和む小さな緑 苔盆栽

2012年6月7日

 ふかふかの絨毯のように林床や朽ちた巨木、不動の岩などをしっとりと緑で覆う苔むした自然の風景は、古来より日本人の心に趣や安らぎを与えてくれるものとして寺社の庭園などに取り入れられてきました。そんな苔の恩恵を手軽に取り入れられると、今人気が高まっているのが苔を張った盆栽、『苔盆栽』です。
 「雨が降ると目覚め、乾燥すると仮死状態。苔は不思議で美しい世界最小の緑です。」そう話してくれたのは、世田谷で苔盆栽店『品品』を主宰し、苔を張った魅力的な盆栽づくりをしている小林健二さん。小林さんの作品は現代のインテリアにもしっくりと馴染む洗練された盆栽です。「自然の風景の一部を切り取って立体的に表現する盆栽の中で、樹木や草花の足下に張られた苔は、保水性などの実用的な役割だけでなく、山や丘、島、草原などの景色に見立てられることで小さな鉢の世界の豊かな表現にも一役買っています。また、盆栽自体も植物を通して四季を楽しむことができる日本のアートとして世界的にも注目されています。」
 忙しい毎日の中に苔盆栽が一鉢あるだけで、自然をそばに感じたり想像することができ、心のゆとりを取り戻すことができるかもしれません。あなたも苔盆栽のある生活をはじめてみませんか。下記では、小林さんに伺った苔盆栽のまめ知識やお手入れ方法をご紹介します。


苔盆栽を知る_自分にあった一品を育てよう_まずは盆栽店などで気に入った一品を見つけてみましょう。教室などに参加して自分だけの作品を作るとより愛着が湧くものです。苔盆栽を長く楽しむにはどのように接すればよいのでしょうか。

ヤマモミジ + アラハシラガゴケ

ヤマモミジ + アラハシラガゴケ

芽吹きの春、緑葉の夏、紅葉の秋と四季を楽しめるヤマモミジ。数本ずつまとめて植えることで林のような趣きに。苔と苔の間に作られた小道が想像を膨らませる。

ハゼ + アラハシラガゴケ

秋の紅葉が美しく「はぜもみじ」と秋の季語にもなるハゼ。盆栽の基本となる「1本もの」はシンプルながら、緑の苔から伸びる木の様子に自然の活力を感じる。

ハゼ + アラハシラガゴケ

アラハシラガゴケのハリネズミ

アラハシラガゴケのハリネズミ

ハリネズミ型の変わり鉢にこんもり張られた苔。苔の持つやわらかさやかわいらしさが最大限に引き出された一品。苔自体を純粋に楽しみたい方へおすすめ。

盆栽の水やりと光合成のコツ
毎日を基本に土が乾燥してきたら水をあげてください。植物は日の出の頃に水を吸います。夜に外へ出して水をあげると土が水を貯え日の出のタイミングに間に合います。また、外にある盆栽は雨の日こそしっかり水やりをしましょう。雨は弾いて浸透しません。(連日雨の場合を除く)朝方2~3時間光合成をさせて陽の強くなる昼前にはしまうといいでしょう。

四季のメンテナンス
春は植物が育つ時期です。しっかりと陽に当てて水や肥料をあげてください。夏は体力を温存させる時期。水分に注意して植え換えなどの無理はさせないようしましょう。秋・冬は紅葉や実が終わると根が休眠し植物が休む時期に入ります。水やりや肥料も少なめで大丈夫。室内に入れっぱなしにするとひ弱になるのでしっかりと寒さに当てましょう。

植物に嬉しい苔の役割
土がむき出しより苔を張った方が保水性がアップし浄化作用も持つので根がはるためにも良い条件が整います。また、植物へ与えられた養分を吸着し流れにくくしてくれる効果も。苔は植物と上手に共生しながら足下をきれいな緑で覆ってくれる優秀なカバープランツです。

苔のお手入れ
苔は直射日光が苦手。カーテン越しくらいのやわらかい光が当たる場所を好みます。白っぽくなるのは光が当たり過ぎ、茶色でもまだケア次第で復活する可能性があります。黒くなるとムレて傷んでいるので張り替えた方がいいでしょう。苔は自分で養分を作れますが乾燥すると仮死状態に。適度な湿気を保ってあげましょう。

盆栽のレイアウト
茶道や華道のように盆栽にも角度、向き、位置などの細かいルールがあります。例えば、手前に大きなもの、後ろに小さなものを配置する遠近法で奥行きを出す、鉢の空間は7:3の割合でレイアウトして安定させるなど。ルールがあるから美しく奥深い。盆栽が長く親しまれている理由です。

※植物によってお手入れが異なる場合があります。詳しくは購入店等にご相談ください。

有限会社 品品_代表 小林 健二さん

お話を伺った方

有限会社 品品
代表 小林 健二さん

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TEL03-3725-0303 FAX03-3725-0360
営業時間 10:00~19:00 水曜定休
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