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人と人とのつながり、「町家」の再生を追うドキュメンタリー『まちや紳士録』を見た。

2014年2月6日

 

ある町並み保存地区で、町家再生にかける人々の奮闘を一年に渡り追ったドキュメンタリー映画。それが『まちや紳士録』です。

今回、東京は谷根千と呼ばれる地域にある「谷根千工房」にて、試写会を見てきました。

 

 

 

関東大震災以前に建てられた蔵「谷根千工房」にて上映会が行われました。雰囲気がありますね。

 

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福岡県南部に位置する八女福島地区には、江戸時代からの商家が軒を連ねる町並みがあります。

 

高度経済成長期以降「スクラップ&ビルド」の思想によって、古い建物は壊され、日本の原風景の多くが失われていきました。

八女も例外なく、過疎化と高齢化によって町の中心部には空き家が増え、手入れする者がないまま自然災害や経年で壊れかけた町家が増えていました。

そんな中、この美しい白壁の町家の風景を残そうと、市民有志がNPO法人「八女町家再生応援団」を立ち上げ、町家の保存に奔走。昔から伝わる修理技術で一棟一棟丹念に修復していった結果、2002年、文化庁より60番目となる「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されることになったのです。

 

 

この映画では、監督が実際に妻とともに八女に移り住み、その手で実際に八女福島の町家を再生しようとする人々を記録していきます。

 

空き町家の再活用に取り組む人々にカメラを向け、職人の手仕事による町家の修理の過程をまるで伝承するように写し、移住を希望する若い一家が新天地で宅老所を開くまでを、熱心に追っていきます。

町家に関わるさまざまな人に向けられるその真摯な眼差しは、高速で進む現代社会に生きる私たちを、ふと立ち止まらせてくれます。

 

 

町家は昔ながらの日本家屋であり、漆喰や杉皮、柿渋など自然のものを自在に利用し形作られています。それを修復していく大工や左官の仕事は、まさに伝統技術と言っても過言ではない迫力をもって観る者に迫ります。

建物を修繕することはすなわち「暮らしを繕い直す」こと。身の周りのものを大切に使い、壊れたら修理しながら、慈しみながら暮らすということは、現代の暮らしとは真逆でありながら、日本人が元々持っている性質に最も合った暮らし方に通じているようです。

 

 

映画では、進み行く高齢化に対し、町家を含め町全体を、住む人間がどう管理していくかという問題も提起されます。

ただ、人と人とのつながりやゆったりとした時間、四季の移ろいを丹念に写していくこの映画は、そこに根付いた人間の持つある種の説得力を持ち、日本の一つの未来を示唆しているように思えてなりません。

 

 

 

 

『まちや紳士録』

2014年3月1日より公開!!連日11:00~ 《暮らしと伝統をみつめるモーニングショー!》

シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2−10−2 JR渋谷駅より徒歩8分)

 

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http://www.urban-plus.jp/?p=13180