ホーム > 編集部こぼれ話「PLUS Chat」 > もっと知りたい彫金の世界(前編)

もっと知りたい彫金の世界(前編)

2013年6月6日

「“人間国宝”とはメディアが作った言葉に過ぎない。確かに国から称号(重要無形文化財保持者)を授かりましたが、私はコツコツと仕事を続けてきただけですから……」。そう話されていた桂盛仁先生ですが、「頑張っている若手に光が当たるきっかけとなる企画なら…」と、取材を承諾してくれました。

彫金界を牽引する 巨匠は、謙虚でいて明朗洒脱なお人柄。ド素人の私にもわかるように言葉を選びながら、終始やさしい眼差しで彫金について語ってくれました。

「きっと桂先生から教われば、彫金を好きになれそうだなぁ……」工房にはそんな空気が流れていました。

その「桂彫金塾」の様子をもう少しのぞいてみましょう。

 

 

『METAL HEARTS(メタルハーツ)』は桂先生のお弟子さんが主宰する工房です。この日は桂先生と6人の生徒さん、そして2名のスタッフさんがいらっしゃいました。

このお2人がいらっしゃらなければ、今回の企画は叶いませんでした!本当にありがとうございましたm(__)m

 

 

この半球型の黒っぽい塊が作業台。ピッチボール、ヤニ台ともいいます。上部に付いている松ヤニをバーナーで柔らかくして、地金を埋め込むように配します。

とても高温になるのでヤケドには要注意。バーナーから大きな炎が上がるし、松ヤニが溶けると何とも独特な匂いが室内を漂うし…見慣れぬ変化に最初はドキドキ。

彫金の工程ってホントたくさんの道具を駆使するんですね^^;

 

 

 

桂彫金塾では、帯留金具を中心に制作を進めています。

 

 

 

桂先生が生徒さんの作品を手にとって、コツコツと打ち始めました。もっと近くで見てみましょう〜

 

 

もみじの形に打ち出した地金に葉脈の文様を彫り込んでいるんですね。鏨の先って、手前に向けて打ち込むんですね。自分の方へ刃先をむけるというのも、彫金ならでは。

 

 

 

こちらは、彫金で最も代表的な道具「鏨(たがね)」を作っているところです。彫りや打ち出しなど用途によって多種多様。工房には数百本と用意されています。

初心者がはじめに取り組むのが自分専用の鏨づくり。

まず作りたい形にヤスリで削っていきます。削り過ぎないよう慎重に進めます。次に刃の先をバーナーで真っ赤になるまで加熱し、すぐ水の中に入れて急冷します。ここまでを「焼き入れ」といいます。

この状態では硬すぎて欠けてしまう可能性があるので少し戻します。弱い火で少し加熱。これを「焼き戻し」といいます。この工程を繰り返し、いい感じになったら研磨して仕上げます。

 

 

「冷やす時間が短かすぎたかな? もう少し鋭角にしたほうが良かったかな。」と、桂先生。

先端の角度は微妙なもので、削りすぎても使い物にならなくなってしまうのでとくに慎重さが必要です。

 

 

 

先生の奥にずらりとあるのが鏨です。手前にも転がっていますね。先端の形状によって様々な文様が彫れるわけです。

下のような感じ。これもほんの一部ですが。(桂先生が制作された技法見本をお借りしました)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

打ち出しも鏨を使います。

▲薄肉打ち出しレリーフ

 

▲こちらも薄肉打ち出しレリーフ

 

同じ薄肉打ち出しなのに使う鏨で、表現もここまで変わります。

彫金は「道具がなければ作る」という世界なのですね。その鏨づくりで、彫金の基本的な技法である「ガスバーナーの使い方」や「ヤスリがけ」などのよい練習になるそうです。

なかなか自宅で道具を揃えるのはたいへんですが、鏨を打ち込む音が響く“工房”という非日常の空間で、芸術に、制作に、没頭するのは贅沢な時間ではないでしょうか。

 

*********************************************************

 

「体験してみたい!」「入塾したい」という方は、ぜひ詳細はこちらで!!

桂先生はじめ素晴らしい彫金教室の講師お二人がやさしくアシストしてくれる、すてきな工房です★★★

彫金工房METAL HEARTS(メタルハーツ)

http://www.metalhearts.net/

 

*********************************************************

 

「父親はすっごくイケメンだったの。でも、僕は母親に似ちゃった〜〜自分の顔ってイヤ〜(´ε` )」なんて仰りながら、場を和ましてくれる桂先生。まだまだお話はつきません。

最後はオフのひと幕。記念撮影までしていただきました♪ 撮影隊に囲まれてパチリッ

紙面で紹介しきれなかった桂先生の作品は、後編で(^^♪

 

 

後編はこちら>>